芯地があるようなシッカリした仕様で、ナイロンで作った縫製品では、どうしても値段が安くなりません。
そこで発想を転換した商品を出そうと思ったのです。
低価格な手軽なエントリーモデルの開発が命題でした。
素材はプラスチックに目をつけました。縫製をしないのです・・・縫いません。
プラスチックのパーツ同士を超音波振動させ、接触している面を溶かして接着する方式です。
狙いは…、
1.安くしたい。
1.機能はシッカリ抑えたい。
1.エントリーモデルにしたい。
1.この商品にしか無い良さを追求したい。
でした。
素材はファイルの表紙などに使う、プラスチックの板を使う事にして、設計と試作を始めました。
最初は実は接着でなく、プラモデルの「はめ込み接合」のように、パーツとパーツをプラスチックのピンのようなもので「とめる構造」を企画し、板の上に自由にポケットを組み立てられるように、したものでした。
これはかなり斬新で面白いものでしたが、スペースが問題で、A4のボードの上にポケットが少ししか付けられませんでした。スペース効率が悪いのです。
しかも、この構造は中国での生産が難しく、かといって日本では値段も高くなるのでダメでした。
そこで、中国生産を前提にして、前述の超音波接着の仕様で再設計しました。
ボードに超音波でつけるのも実はかなり難しく仕様は何度も書き直しでした。現在の形は相当の失敗の山の後に掴んだ「やり方」「作り方」でした。