開発ウラ話

Premiumカバンの中身編

カバンの中身シリーズが出来るまでのこだわり話とうんちく話。

キッカケはお客様の声・・・

お客様から言われました。
「アイデアは良いのだけれど、もっと高級な物は無いの?」
これが「プレミアムカバンの中身」の開発のキッカケでした。
確かに夢には・・・ありました。お金に糸目を付けず、最高の素材で、こだわった仕様を商品化することが・・・。
しかし、同時に、これでは殆ど「道楽」になってしまうと思っていました。つまり、利益を期待はできないだろうと・・・。 おそらく弊社の規模では、余裕が無いので、「やってはいけない商品化」だと思います。 生産ロット、資金、在庫期間など想定しますと、リスクの面からも普通なら廃案になる企画でした。でも作りたかったのです。最高の革製の「カバンの中身」を・・・。

よくぞ「作ってあげる」のお返事をくれました!

「あまり売れなくても良い」「最高の物を商品の仲間に入れたい」と決心しました。

どうしても作りたい!!と決断はしたものの、今度は作ってくれる会社が無かった・・・。 これが真実でした。
WEBで調べて電話してみたり、104で調べて電話してみたりして革製品の、カバンの工場に沢山あたってみました。・・・こう言う商品を生産してくれませんか?と・・・。
殆どのお答えは、「手間がかかりすぎる」「同じ手間をかけるなら、ダレスバッグを作った方が効率がいい」・・・・でした。 「カバンの中身」はダレスバッグを作るより面倒で手間が掛かり、工程も多いのだそうです。 何社も電話しましたが、殆ど電話口で断られる始末・・・。

ある日一社さまが「話を聞いてみましょうか」と言ってくださいました。 御徒町の「大澤鞄嚢株式会社」さん。
奥様と思しき女性の方の電話対応を頂いたのです。 喜んで飛んで行きました。 会ってくださったのは大旦那様と奥様。 サンプルを渡し、ヌメ革で最高の物を作りたいと現状の「カバンの中身A4」を(無理やり?)置いてきました。
「やってみましょう」のお返事を数日後に頂いたときには、本当に嬉しくて飛び上がりました。

前向き・・・言うのは簡単ですが「やる」のは本当に大変なことです・・・。が本当に前向きなお返事を頂いたのでした。 作っていただいたサンプルは本当に素晴らしかったのです。もちろん設計図面などをお渡しする前の、現物を見て作った、手作りの試作でしたが、それが大変良い完成度でした。 日本の職人さんは凄い。心底そう思いました・・・。

後日、職人さんでもこれをやってくれるのは一人だけ・・・と言うことを聞きました。
勉強にもなりました。 ポケットの底の部分は縫わずにこうするのが革製品のスタンダードな処理だと・・・。

ヌメ革のよさで意気投合

弊社担当と大沢さんの奥さんが意気投合していました。「ヌメ」だと・・・。使い込むうちに色が変わっていく事のよさ。手触りのよさ・・。 盛り上がりました。
結局、最高の革を使って作る方向にまとまりました。 色は黒とヌメ・・・。黒も実は同じヌメ革を使い黒く染色したもの・・・。
とんでもない贅沢かも知れません。しかし「どうせ作るなら最高を・・・」という意気込みになっておりました。

ズレの修正から完成まで

試作から製品化までにはナイロンとは少々異なる詰めがありました。ナイロンとは縫い代が異なるので、微妙に再設計をしました。ポケットの内部の寸法は確保したいですから・・・。微調整を繰り返しました。

bncマーク

今回のプレミアムでは、初めて弊社のマークを入れることに致しました。

弊社はブランドではありませんが、「きちんとしたポリシーの会社」・・・にはなりたいと思っております。 共感いただけるお客様もいらっしゃるかもしれません。プレミアムでは、弊社の責任を表記いたしたいと思いました。

初めてですが、「一年間の無償修理」の保障を付けさせていただきました・・・。

世界に一つだけの・・・ご自分のヌメ革の色・・・

最終試作を受け取った時に・・・・。ヌメ革は色に濃淡のバラつきがあるのを知りませんでした。
大澤さんとも度々議論し、社内でも相当、悩みました。
世間常識的にはヌメを白く染めて販売しているので、弊社も薄染めの加工をするべきか? 同じ一頭からでも背、腹など部位によってヌメ革の色は異なるのです。 悩んだ挙句・・・無加工の天然のヌメ革で行くことにしました。

お客様の手に触れられるうちに、あめ色に変化し、「世界に一つだけの色」になることを選んだのです。
人もそうですが、動物だって、皮膚の色はみな違うのですから・・・。
ヌメ革のあり方に関しては今後のお客様のお声を聞きながら考えて行きたいと思います。 薄化粧の良さをとるのか・・・素顔の良さをとるのか・・・選択が難しいのです。

また染色した場合でも、実際に黒の商品を良く見ますと、これも個々に微妙に色が違います。染めた黒でも、もともとのヌメ革の、色艶の影響があるのです。 こちらの商品も使い込むうちに馴染んで、良い感触になってくると思います。

・・・ますます、選択は難しいと感じております。

お使いのパソコンのモニターや、角度によって、色の見え方が異なる場合があります。画像と実物の色の違いはご了承くださいませ。(今回の画像は、蛍光灯の下で明るくして撮っている為多少白っぽい色味になっています。)

スタッフ談

何度も出向いては議論し、社に戻ってまた議論し、また試作、そして・・・と繰り返しました。その度に、開発者と共に頭を悩ませた結果がこの商品です。
知っているようで知らなかったヌメ革の事。大変勉強になりました。
素のままの「ヌメ」はバラバラの色だし、扱い方を間違えると、シミを作ってしまって汚れが目立ってしまうので大変です。制作する職人さんは更に気を使うのです。そんなこんなでやっとたどりついた商品でした。
このページを作るにあたって、手元にあったサンプル品を使ったのですが、数ヶ月しか経っていないのに日焼け状態でした(上記写真参照)この色の変わり具合を見ると、いいもんだなと、思うところです。伝わっているでしょうか?

→購入された方に是非やってみて欲しい事なんですが、「クロ」も「ヌメ」も購入時に右(イメージ画です・・・)のように、カメラ等(ポラロイドカメラや、デジタルカメラ、携帯カメラ)で記念に残してみてはいかがですか?何年後かには、まったく別の物になっていることと思います。
みなさんなりに、このヌメの良さを楽しんでお使い頂けると嬉しく思います。

そして今回の製品を入れる為の箱もこだわったものです。(Premiumカバンの中身のサイト参照)後は、お客様がご自由に物入れや、書類入れなどに有効活用して頂けると幸いです。
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