開発ウラ話

カバンの中身トート編

カバンの中身シリーズが出来るまでのこだわり話とうんちく話。

いつの間にか、多数頂いたお客様の声・・・

カバンの中身シリーズも「カバンの中身B4Ver.2.0」・「カバンの中身A4」がご愛用いただけるようになりますと、A4の縦型はないの?というお声を多数頂く様になりました。また、縦横が逆ですが、リュックの中身の横型はないの?というお声も同時に多数頂きました。後者はそれはそれで・・・その後の「カバンの中身PC」の開発のスタートとなったのですが、今回は「カバンの中身トート」のお話を致します。

そもそもカバンの中身の縦型・・・まず、これを単純にやるべきか否か?の議論を致しました。
ストレートに設計を縦に変更すると言うよりは、基本に立ち返って、「縦型のどんなバッグに使われるのだろうか?」要望されてきたお客さんのバッグはどんなバッグだろう・・を話し合ったのです。
結果として、ターゲットにするバッグはトートバッグが良い、持っている方も多い、売り場も活性化している・・・と決まりました。
いざトートバッグ向きの「縦型」を考え始めますと、カバンの中身のようなビジネスバッグ用とは違うバッグ自体の特徴があり、様々な問題点にぶつかりました。
パネルの面の使い方に関しては、結果的に「リュックの中身のsideA」の仕様が、こなれていて使い勝手も良いのでは・・となりました。

残された問題の一つは、どうやってトートバッグに固定させるのか・・・というところでした。これには、つまずきました。当初の構想では、トートバッグの片側にパネルをつけて使うイメージでした。 パネル自体を固定するためには、ボードに穴を開け、ベルクロのテープでトートバッグの持ち手部分の二箇所に巻きつけるか、または、鋲のような物でバッグ本体にくっつけるか等、ひと手間かける必要がありそうだ・・・?と、考えておりました。

そこで、この固定方法のアイデアをスケッチに描いてみました。何点か書いては消し、書いては消し・・・・なかなか良いイメージがまとまらず、最終的には、本当に固定自体が必要なのだろうか?という疑問にまで発展する始末でした。
バッグの持ち手部分にパネルから出たベルクロなどを引っ掛けてしまうと、片面(裏面)が使えません。カバンの中身A4のような、裏のちょっとしたポケットが付けられなくなるのです。トートバッグの強度では、持ち手部分だけが下方に引っ張られ、へこんでしまうでしょう。パネルの上部だけが固定されるのでは、下部が不安定で仕方がないのでは・・・。鋲は、バッグに穴加工をする必要があるので、大切なバッグに傷がつく。やはり、何か他の素材を使っての「新しい固定」というのは「無理」がある・・・。いっそ、そのまま入れて使える方法はないか?・・・・と言う筋道でアイデアを考えて行きました。

トートバッグの特徴

一番気になっていたのは、トートバッグの素材や、強度です。
ビジネスバッグとは違い、まず底が柔らかく、しっかりしていない・・・という事。もしボード一枚を、そのまま入れるとパネルの重さでトートバッグの底が尖ってしまい、見た目も非常に悪くなります。
苦慮した挙句、振り出しに戻って考え直し始めた頃、ボードの両面を使えるようにしよう、という話が持ち上がったのです。
細かなポケットは、片側面に実装されているので、裏面にはトートバッグらしく、雑誌や、新聞、フライヤー、ちょっとしたファイルなど放り込める大きなポケットをつけたくなりました。
更に、厚さ方向の(縦)実装で、もっと自由に使えるポケットを雑誌用の大きなポケットの上に作ろうと考えました。
ポケットの入り口にゴムをつけ、入れるものの大小への対応が効くタイプのポケットをここに持ってきたのです。 長いもの、厚みのあるもの、これまでになかった小型ゲーム機が入るような工夫を凝らしました。ビジネスバッグとは一味違った、ややカジュアルなトートバッグらしさ・・・が設計に活かせたと思います。

底の解決策

さて、一方で、未解決のままだった、「尖る底」。
ある日の社内会議の場面で、底の問題は意外にとんとん拍子に解決されました。
それは、トートバッグには必ずしも底板が付属していないので、まず、底板がないと、しっかりしない。
・・・という話から、では我々の商品の付属で、「底板」も付けてしまおう!という流れになったからです。 現在使用しているハサミでも切れるボードを使用すれば、幅の狭いものも、広いものも、または、底が楕円なものにも対応ができる!というアイデアが出て、当初の問題はなんとか解決?・・・・です。お客様のご評価は果たしていかがでしょうか?

次の問題は、その底板とボードを、どうやって固定するか?でした。
何もないのでは、ボードとボードが当たって滑ってしまい、機能を成しません。そこで出てきたアイデアが、底板部にベルクロのメスをあらかじめ縫いつけ、本体部分に「カバンの中身A4」で採用している固定用のベルクロと同じようなオスを縫いつけてあればしっかり立つのではないかという事でした。
こうして、「カバンの中身トート」は、ボードの両面にポケットが実装され、底板もついてしっかりしたものになるぞ!!と思いつつ設計図面を描き、試作を待ちました。

問題点もいくつか・・・

試作ができ、早速トートバッグに入れてみましたら、どうやら良いようです。
社員のトートバッグ愛用者は大変気に入り、一度試しに使うと手放せません・・と、家に持ち帰った程でした。予想以上にいい反応だったので、ちょっと驚いたくらいです。縦長のトートバッグは特に、中の物が取り出しにくいので、駅等で、中をごそごそする人の姿をよく見かけます。カバンの中身トートでは、小物が「立って」ポケットに収まる訳ですから、更に使い勝手がいい訳です。

空間の確保と、空間の間仕切り。
納得いくものに仕上げたつもりですが、発売して、数日も経ちますと、気になる点も早速出てきたりします。
「カバンの中身トート」というネーミングは、わかりにくいかもしれない、とか、トートに入れて使うという事が、パッケージで表現しきれていないのでは?とか・・・。 不安な部分はまだまだ出てくることと思います。

他の商品も同じですが、使い方・使いこなしの提案も今後お伝えしていきたいと思っております。商品へのご意見・ご感想も是非お願い致します。お待ち申し上げております・・・。
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