Little Bee

開発秘話:リルビーができるまで

使い勝手、生地の色、付属の検討、紐の素材、などを考えながら、1つ1つ地道な試作品作りを積み重ねました。実際、いろいろな方に使用してもらったうえで、良い点・悪い点などを修正しながら今の「リルビー」が完成しました。


【従来商品】

リルビーの開発は、2004年に発売した『バッグの中身』という商品がベースに取り組み始めました。
「従来までの機能性を保ちつつ、女性らしいデザインと軽さをプラスしたものを作ろう」というのが始まりのコンセプトでした。


本体

【初期段階】

 一見、現在の形と近いですが、生地や紐、細かな寸法などはまだ未検討段階でした。
 まずは試作という事で、有り合わせの素材を使用して作りました。
 リバーシブルで裏返すと容量が変わるという機能はこの段階から考えていました。
 色の検討とともに、ポケットの縁を革の素材で試作し、両端に留め具をつけました。
 最初は便利かと思われた留め具でしたが、実際に使ってみると邪魔に感じたり、紐を引っ張ってとじる機会が少ない事が分かりました。縁の革素材も、コストの兼ね合いで削除となりました。



【検討段階】

 ファスナーポケットにマチをつけ、内側のポケットをマチ無しにして高さを低くしました。また、表裏の色を変える事もこの時点で決まりました。
 内側ポケットのマチを無くした事で、入れたものが取りづらくなる懸念を解決出来るよう、ポケット自体の高さを低くしたのですが、前回の試作品の方が出し入れがし易い結果となりました。
 フチの素材にグログランという素材を使用し、内側ポケットのマチを元に戻しました。
 以前の革素材と同じように、コストが合わない事から、この素材も保留になりました。



【最終サンプル】

 細かい調整が入り、ほぼ最終形のリルビーになりました。カラーバリエーションもこの時に最終決定となりました。
 ファスナーの形をハートにし、チャームや織りネームもつきました。当時はピンク・オレンジ・ブルー・ブラックのカラー展開を検討していましたが、ブルーは素材の都合により、学生カバンのような色合いになってしまったので見送り、代わりにブラウンが追加となりました。また、ブラックはバッグの中でポケットの位置が分かりづらいといった意見が多かった為、縁をつけて見やすくするという工夫をしました。以前の革素材の縁の際の失敗が実は生きています。



チャーム

 チャームをつける話が挙がった際、最初はそれぞれのカラーに合う異なる色のチャームを考えていました。写真にあるように、いろいろな試作を重ねた結果、どのカラーにも合うような赤・オフホワイト・シルバーの3色を使ったチャームで共通化する事に決定しました。
 また、シルバーの金属部分についているストーンについても数種類の試作をして、1つや2つだと物足りなく、4つにすると多すぎる事から3つになっています。
 チャームを付属するにあたって、モニターから「必要無い」といった意見もありました。そこで、チャームが邪魔な人はきれいに取り外せたり、自分の好きなチャームに交換出来るように、D管を付ける事になりました。

試作もまずはピンクから

オレンジバージョンです

ラメ入りもありました

ストーンの数で試行錯誤…

最終サンプルの完成


織りネーム

 ベースカラーと糸の素材で悩みましたが、質感を重視して決めました。それぞれのカラーに合わせても違和感がないようにする事も注意した点です。

デザインサンプル

試し縫い

糸の種類を検討

最終的にこの糸に決定

やっと完成!!


おまけ

 「リルビー」というネーミングのルーツですが、実は木村カエラさんの「リルラリルハ」という曲でした。語感の響きが心地良い音から「Little Bit = ちょっと便利」という案が出てきて、「Lil’be」→「Little be」→「Little Bee = 働きバチ」といった流れで今の名前に落ち着きました。
 最終サンプルが完成し工場に生産を頼んだ際、サンプルと比べて生地が堅すぎるといったハプニングがありました。作り直しになるところでしたが、その生地の堅さから本体がかばんの中で立ちやすいと好評になり、そのまま製品としての仕様に取り入れたという事情があります(笑)。いろいろなハプニングや失敗も、結果的には必要な要素だったりするものですね。


最後に

 「リルビー」は使う人の事を第一に開発・設計・生産しています。「毎日持ち歩くモノが多くても負担にならない」、「バッグの中が可愛い色で満たされる」、「毎日バッグを変えても忘れ物知らず」など、みんなが不便に思う部分から、ひとりが気になるところまで、細部にわたってこだわって作りました。バッグの付属品のポーチや、他のバッグインバッグには無い工夫とノウハウが詰め込まれています。みなさまの日々の生活がちょっぴり楽しくなるアイテムだと思いますので、ぜひ一度、ご利用いただけますよう、よろしくお願い致します。


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